磁気探傷における、電流等の設定について

Step 1
テストピースの寸法により、必要な電流が異なります。仕様書もしくは計算で得られます。
経験値:
必要な電流 I(Amps)=10 x ワークピースの直径(mm)。
(磁性体の特性により、有る物質例えば合金鋼、25 x 直径まで至ります。非円状切断面の直径は、面積とπで、計算できます)。
例:
直径 50 mmバーに対して、10 x 50 mm ⇒ 500 Ampsの電流が必要になります。(高純度合金鋼では、25 x 50 mm ⇒ 1250 Ampsの電流が必要になります。)

Step 2
ワークピースから電流強度を得るため、必要な電圧を加えなければいけません。電流、抵抗、接触、ケーブルなど等の要素を考え、オーム法則に従い、必要な電圧を算出できます。トータル抵抗値は、測りにより、決定されます。
経験値:
ケーブル類: 1組ケーブル120 mm2, 長さ2.5m 0,8 mΩ
接触
接触ジャック -平接触面 2x0,1 mΩ
接触ジャック -曲線状接触面 2x0,3 mΩ
接触磁石 -平接触面 2x0,2 mΩ
接触磁石 -曲線状接触面 2x0,3 mΩ
ワークピース
直径50 mmワークピース、1メートルごと 1,5 mΩ
平ワークピース、厚み10 mm、大面積 0,4 mΩ
例:
ワークピース: 構造鋼、直径 50 mm、長さ 2 m、接触磁性体は表面(平面)両端に設置する。
ワークピース2x1.5 mΩ + ケーブル0.8 mΩ + 磁石2x0.2 mΩ = トータル抵抗4.2 mΩ
必要な電圧 = 電流500A x トータル抵抗4.2mΩ = 2.1 v
Step 3

定めた電流と電圧の値を、被測定物の特性表に従って、チェックしなければいけません。測定電流(500A)に応じて、相応な電圧(2.1 V RMS)を与えなければいけません。すなわち、工作ポイント500 A/2.1 Vは、特性以下である事。詳しい説明について、左図を参照してください。