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非破壊検査・超音波厚さ計の本当の選択方法

非破壊検査・超音波厚さ計は用途によって2種類から選択すべし!

超音波厚さ計には2つのタイプがあります。用途によって選択すべきですが、あまり理解されていません。多くのメーカーがありますが、わかっていないところもあるようです。探触子が送受信を兼用する単一型と、送信と受信が分かれている分割型の2種類があります。名前は同じ超音波厚さ計ですが、探触子の構造、信号の取り方、補正処理の有無、表面形状、裏面状態、目的用途も異なります。

分割型:
腐食したプラント設備などの残存強度を測定するための残存肉厚測定には、V字に送受信するため裏面が凸凹していても受信しやすい分割型が適しています。送信と受信の両方が接触しなければならないため、表面のR形状への対応は制限されます。また、V字反射のため、角度補正をしますが、裏面状態によっては一定角度ではなくなりますので、精度的には劣ります。しかし、腐食検査、残存肉厚測定には十分な精度0.1mmは確保できます。

単一型:
これに対し、製造製品の品質検査に用いるための厚さ計は精度が要求されます。垂直に送受信する単一型は、角度変化がないので角度補正が不要のため精度に優れていますので、0.01mm~0.001mmの精度が得られます。品質管理用に適しています。単一型なので、点接触に近い形でも測定が出来ますので、表面のRにも強いと言えます。垂直入射、垂直反射の信号を測定しますので、腐食裏面のような散乱気味の反射信号には分割型の方が適しています。表面と裏面がきれいな製造時の厚さ品質管理には単一型の方が適しています。

腐食検査用厚さ計と、品質管理用高精度厚さ計の2種類は、単に価格だけの比較で選択すると、後で買い換えることになりかねません。用途によって適切な選択ができる様にご相談下さい。